『ディグ』と書いて「ハードバップの夜明け」と読む!?
巻頭一発、アート・ブレイキーのシンバル音が響いた瞬間に
とてつもなく新鮮な空気が漂ってくる。
リアルタイムで聴いていたわけではないがいま聴いてもそうなのだ。
タイトル曲はどこかくぐもった感じで、録音状態はあまりよくない。
プレスティッジは決して音の悪いレーベルではないがこのアルバムは例外。
しかし、今では最良とはいえないこの音が『ディグ』の魅力のひとつなのだと理解した。
ビバップはどれを聴いてもうんざりする音質が多いがいかにも当時の最先端・アンダーグラウンドが
持っている危険な雰囲気がある。 本アルバムにもそうしたムードに近いものが流れている。
『ディグ』はハードバップと言う言葉が一般に流布するずっと前に、ビバップにはない構成力と
スピード感を併せ持つ新たな時代の到来を告げた作品といえるだろう。
マイルス・デイヴィスのトランペットは遥か未来を見つめて音を放っているし
ジャッキー・マクリーンとソニー・ロリンズ、二人の若頭の活躍も必聴だ。
アート・ブレイキーの全身にアドレナリンをいきわたらせるドラミング。
彼らの恐れを知らぬ新鮮なプレイは聴くものをウキウキさせる。
ディグ/マイルス・デイヴィス 視聴有
ジャズアルバム紹介 ディグ+2/マイルス・デイヴィス 視聴有
ジャズアルバム紹介 ディグ/マイルス・デイヴィス 視聴有に加筆・修正を加え転載。
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